北海道産小麦は天候によって品質が異なることがあります。ライ麦は特に酵素活性しやすく、これがグルテンやデンプンの分解に影響し、生地の発酵や焼き上がりに悪影響を及ぼすことがあります。
プロの方が行うライ麦の酵素活性を抑制する対策として、以下の3つが挙げられます。
- サワー種を使用する: サワー種は、天然酵母と乳酸菌を含む発酵させた小麦粉です。ライ麦パンを焼く際に、サワー種を20-30%程度使用することで、酵素活性を抑制し、焼き上がりを改善することができます。サワー種の作り方は以下の通りです。
- 小麦粉と水を混ぜ、室温で24時間発酵させます。
- 発酵させた生地に、同じ量の小麦粉と水を加え、さらに24時間発酵させます。
- このプロセスを数日間繰り返し、サワー種が十分に発酵し酸味が出たら完成です。
- ライ麦の量を減らす: ライ麦だけでパンを作ると、グルテン膜が形成されにくいため、焼き上がりが固くなりがちです。そこで、ライ麦粉と普通の小麦粉(強力粉や中力粉)を組み合わせることで、グルテン膜の形成を助け、ふわふわとした焼き上がりに近づけます。例えば、ライ麦粉を30-50%、普通の小麦粉を50-70%といった比率で使用すると良いでしょう。
- ライ麦をフライパンで焼く: ライ麦粉の酵素活性を抑制するため、フライパンでライ麦粉を軽く加熱してからパン生地に混ぜ込む方法があります。フライパンを中火にし、ライ麦粉を加えて軽く炒めます。焦げないように注意し、粉がほんのりと色づく程度まで加熱します。その後、加熱したライ麦粉を冷ましてからパン生地に使用してください。
一般的にパンが膨らむ理論は、グルテン膜の形成、デンプンの膨張、およびイースト菌によるガス発生によるものです。しかし、ライ麦にはグリアジンとグルテニンという、グルテン膜の形成に必要な成分が含まれていません。そのため、ライ麦と普通の小麦粉を配合してパンを焼くことが一般的です。
これらの対策を試してみることで、ライ麦を使用したパンの焼き上がりが改善されることでしょう。
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