
「スペルト小麦」健康志向で注目
清水・さわやま農場 作付け倍増
パン教室主宰者 製粉会社と連携 「単一農家産」普及へ
【清水】普通小麦の原種に当たる古代小麦「スペルト小麦」への関心が、パン作り愛好家などを中心に高まりつつある。清水町御影の「SAWAYA MA FARM(さわやまファーム)」(澤山直樹代表)は、道産小麦を扱う製粉会社「ベーカリスタ」(室蘭市)、大阪府のパン教室主宰者と連携。作り手の顔が見える「シングルオリジン(単一農家産)」の小麦粉として、新たな小麦づくりを進める。16日、同ファームで今季の種まきが行われた。
スペルト小麦は香ばしさや消化吸収の良さで知られる。輸入食品店「カルディコーヒーファーム」で関連商品が扱われるなど、一般にも浸透してきた。ベーカリスタによると、健康志向や品質を重視する層からの注文が伸び、在庫が逼迫(ひっぱく)する状況だ。同社は年間取扱量約10トンを3年後に3倍へ引き上げる目標を掲げ、農家へ増産を呼び掛けている。
需要増を受け、有機栽培を手掛ける同ファームは作付面積を昨年の1・4ヘクタールから3ヘクタールへ倍増させ、約6トンの収穫を見込む。3年前から栽培に取り組む澤山代表(39)は「草丈が高く雑草に負けないため、うちの有機栽培と相性がいい。使った人の感想が共有されることで、さらに普及していくといい」と話す。
16日の種まきには、パン教室講師の大新ありささん(36)も大阪から駆け付けた。累計約2000人を指導してきた経験を持つ。子どものアトピーを機に全国の小麦を取り寄せ、試作を繰り返した。1年ほど前に澤山代表のスペルト小麦と出合い、香りの良さや扱いやすさに感銘を受けた。大新さんは自身の教室で、同ファーム産のスペルト小麦のみを使う予定で「今から収穫が楽しみ。生産者と消費者の架け橋になれれば」と語る。
製粉会社ベーカリスタの木下広記社長(41)も種まきに参加。「小麦の生産地や品種が特定できる製品を扱うことで、農家のこだわりが消費者に直接届く仕組みを作りたい」と意気込む。今後も契約農家を増やし、シングルオリジン小麦の認知度向上を図る考えだ。
(斉藤隼人)
2026.9.26 十勝毎日新聞