小麦の美味しさを3つのバーチャートで表現しよう。

パンの味を大きく左右する小麦粉。同じレシピでも、小麦粉の違いで仕上がりはさまざまですよね。例えば、「春よ恋」と「はるゆたか」は同じ強力粉でも、実際に同じレシピで焼き比べをしてみると香りや味わいに微妙な違いがあります。しかし、実際に何がどのように違うのか、ユーザーにとっては事前に知ることができませんでした。

「思っていた味と違った」をなくしたい

ベーカリスタは「あなたの作りたい理想のパン」のレシピに合ったベストな小麦粉が選択できる方法を長年考えてきました。ずっしりとした穀物の香りが好きな方もいれば、シンプルでほんのり香るパンが好きな方もいて、味の好みは人によってさまざまです。

自分に合った小麦粉と出会うためには、もちろん、全ての製品を試していただくのが一番理想なのですが、種類がとても多いですし、コストもかかります。そこで「思っていた味と違った」をできるだけなくすために、小麦粉選びに役に立つ味の指標「小麦バーチャート」を開発しました。

そもそもおいしい小麦とは?

美味しいという表現はとてもあいまいなものです。例えば香りが強ければ、おいしい小麦と言えるのでしょうか。控えめでシンプルな香りや味わいがお好みな方にとっては、その小麦は穀物特有の苦味・えぐみを感じてしまうかもしれません。

また、他に全粒粉をブレンドして使用する場合や、副材料をたっぷり使う生地では、価格の高い香りの強い小麦は必要ないこともあります。

まずはあなたが作りたいパンの味を、想像してみてください。

ふわふわ、もちもちなパン。
歯切れ良くさっくりとしたパン。
バターと調和するリッチなパン。
穀物香るずっしりとしたパン。

また、トーストなのか、サンドにするのか、惣菜を乗せるのかなど、パンの食べ方なども合わせて考えてみるといいかもしれません。

味を評価する3つの要素

私たちは外部の専門家の方も一緒に議論や試食を重ね、小麦のおいしさを評価するには「香り」「味わい」「食感」の3つの要素が重要であると考えました。

香り

「香り」の指標は、穀物特有の小麦の香りの強さを表します。きたほなみと春よ恋を焼き比べてみると、春よ恋の方が小麦特有の香りが際立つ一方、きたほなみは控えめでほんのり香る上品さがあります。

味わい

「味わい」の指標は、パンのクラム、クラストから感じられる香ばしさや甘みの強さを表します。はるゆたかは上品な甘みが特徴で、噛めば噛むほど後から感じられるので、シンプルな材料で作るリーンなパンにおすすめです。

食感

「食感」の指標は、もち感の強さを表します。ゆめちから小麦はタンパク質の含有量が非常に高く、吸水率も高いため、もちっとしたクラムを楽しむことができます。一方、はるきらり小麦は他の小麦と比べてさっくりとした食感が特徴で、ハードブレッドとの相性が良いといわれています。

例えば、ふわっふわな食感で、かつ、ほんのりと小麦の香りが楽しめる食パンを作りたい場合、こんな組み合わせがおすすめです。

ふわふわ食感に仕上がる小麦粉 きたほなみ
香りが楽しめる小麦粉 はるゆたか

2つの小麦粉をお好みでブレンドしてみて焼いてみてください。ふわふわでほんのり香る食パンに近づけられると思います。実際にはるゆたか小麦ときたほなみ小麦をブレンドした「シルバーライズ」はふわっふわな食パンに仕上がるととても好評です。

小麦バーチャートを小麦粉選びに役立ててくださいね。