ベーカリスタ誕生ストーリー

街の外れの大きな住宅街の中に知る人ぞ知る、こだわりのベーカリーがあります。

オープン15年を迎えるそのベーカリーは、自宅の一室を改造した小さなベーカリー。毎日午前中、この家の前を通りかかると、香ばしいパンの良い香りが漂っていました。

そのベーカリーはシェフの人生の財産・街の宝でした。

忙しそうにパンを焼くシェフは、この家の奥様。お子様が小学生になった15年前、かねてより趣味で焼いていたパン作りを、そしてパン屋さんになる夢を実現しました。子育てをしながらのパン屋さんを続けるのは本当に大変で、正直何度かお店を閉めようと本気で考えたこともあります。

でも、今まで続けてこられたのは、応援してくれた家族の存在。そして、いつもシェフのパンを食べて美味しいと言ってくれるお客様の存在でした。

このベーカリーはシェフやその家族にとって生活の一部、人生の財産であり、近隣に住むお客様にとっては、この地域に住宅を構えて良かったと思える地域の宝になっていました。

初めてパンを焼いた時の感動。

何度も焼いているうちに、パン作りの奥深さと面白さに夢中になっていきました。

焼きあがったパンはお友達やご近所に配るようになりました。

主婦からシェフへ。

ひと口食べて美味しいと喜んでくれる瞬間がたまらなく嬉しかった。

何度か配っていると、いつからか「いつももらってばかりで悪いから」と、お代金をいただくようになりました。「子育てがひと段落したら…」と、密かな夢を描いてから数年、家族の応援を得て夢のお店をオープンしました。

お店をオープンするということは、世界が広がること。世の中に自分の世界が広がっていきます。そこで待っている体験は、最高の素材との出会い。初めて知る食材、驚きの製法、今まで味わったことない美味しさとの出会いです。多くの人と出会います。お店を応援してくれるお客様、こだわりを持った生産者さん、そして自分と同じようにベーカリーを経営するシェフ。

多くの出会いと多くの方とのご縁で繋がったベーカリーは、人生に深い喜びを与えてくれました。

ベーカリスタが生まれた理由。

私たちは全国のこういった小さなこだわりのベーカリーさんを歩いて見てまいりました。どの地域においてもその規模や要望に合った食材卸(パートナー)がありませんでした。食材卸は大きなお店を相手にしていますから、みなさんどこか申し訳なさそうに発注をかけていらっしゃいました。ロットも大きく、小さなお店にとっては在庫のスペースが取られてしまっていました。また一番強力なパートナーであるべき、食材卸からの営業やサポートを受けることもないようでした。

こんなに美味しく豊かな食文化を創ってくれる。
ベーカリーのシェフが遠慮することなく、心置きなく使って頂けるサービスを創ろう。

シェフがワクワクする素材をご提供していこうと、このベーカリスタを立ち上げることにしました。

ベーカリーを支える。

人に同じ人がいないように、ベーカリーにも同じお店は2つとありません。店内の装飾にはシェフの好みや趣味が活かされて、パンのメニューにはその土地で採れたもの、人との繋がりが生んだ商品、建物の個性、オーナーの人柄が合わさって世界に一つのお店になります。ベーカリーの存在は地域に華を添える存在。この地域に住んでいて良かったと思う理由になり得ると私たちは信じています。

私たちは持てる力を注ぎ込んで、一軒一軒のベーカリーさんのお役に立つ商品やサービスを開発してまいります。

主婦目線でサポートさせていただきます

近年、女性の社会進出は日本全体のテーマになっています。女性の社会進出は企業に勤めるということだけではありません。私たちが応援するベーカリーシェフも女性の社会進出のひとつです。

女性が仕事をするようになった今でも、子供の教育、家族が体調を崩した時、親の介護など家庭の問題は女性側が担当することが多いですよね。弊社にも多くの主婦社員が働いています。

企業に勤める上でも大変なことは沢山あるのに、私たちのお客様である女性シェフはベーカリーを経営されていることに驚きと尊敬の思いを抱きつつ、私たちにできること精一杯させていただきたいと思います。