パンが食育に向いている理由

「子どもたちに食の重要性と楽しさを教えたい!」
しかし、一緒に作る料理を選ぶのは難しいと感じている方も多いのではないでしょうか。

私たちは、食育を通じて「パン作り」をおすすめします。

パン作りは、包丁や火(オーブンを除く)を使わないので、安全面を考慮しても、食育として非常に 取り組みやすい活動です。 また、パンはシンプルな材料で作られるものの、こねる作業や発酵など、一緒に作業をする楽しさや、生地の変化(固まる、膨らむなど)から多くをことを学ぶことができます。

今回の記事では、食育の一環としてパン作りをおすすめする理由を皆さんと共有したいと思います。

なんのために食育をするの?

まず、なぜ「食育」を行うのでしょうか?そして、食育を実施することで、子どもたちにどのような影響を与えるのでしょうか。

また、食育基本法の前文には,『「食」に関する知識と「食」を選択する力を習得し、健全な食生活を実践することができる人間を育てる食育を推進する』と示されています。

食育基本法が定める食育への期待:
・豊かな人間形成(人間教育、しつけ等)
・感謝の念の理解(ものを大切にする心等)
・心身の健康(心身の育み、健康教育等)
・伝統的な食文化    (食文化の継承、知恵、文化的事象の継承等)
・環境と調和した生産     (地産地消、食農、食糧の生産から消費、廃棄まで等)
・食品の安全性の確保(食の安全、安心等)
・食に関する力 (食の自己管理能力、食べる力、正しい食品選択、食べることを楽しむ力   等)
・食の大切さ(食べる大切さの意識づけ等)
・食に関する知識(正しい知識、基礎的知識等)

食育基本法は、2005年に日本で施行された法律で、その背景には、子供の肥満、食事に対する知識不足、食料自給率の低下などの、近年の食に関連した問題があります。

食育基本法に基づく食育活動は、学校や地方自治体で進められていますが、家庭での食育も非常に重要だと私たちは考えています。特に、家庭で行う場合、安全で楽しい活動が求められます。

過去に行われた研究では、料理が不得意な女子学生が、調理に対して受け身の姿勢であったり、「楽しくなかった」「怒られた」といった、食育に対するネガティブな感情を持っていたことが明らかにされました。

パン作りは、その安全性や、こねる、発酵させるなど、様々なプロセスを楽しみながら進めることができる要素が多く、飽きずに楽しむことができます。

パンが食育に向いている3つの理由

私たちは食育としてパン作りをおすすめします。
パン作りは食育として非常に取り組みやすく、シンプルな材料で作られコストもあまりかかりません。また、こねるなどの作業工程が豊富なため、親子でコミュニケーションが生まれやすく、子どもたちも飽きずに楽しむことができます。

休日に子どもたちと料理に挑戦したいと考えているならば、ぜひパン作りを初めてみてはいかがでしょうか。

取り組みやすい

パン作りは一見ハードルが高そうに思えますが、使用する材料も少なく、安全面などから非常に取り組みやすい料理と言えます。オーブンがない家庭はフライパンなどで代用できるレシピもあります。

子どもたちと一緒に調理をする際、最も気をつけなければならないのは安全面です。パン作りはその点で非常に優れていて、火や包丁を使わなくてもパンを作ることができるため、子どもたちも安心して楽しむことが出来ます。

シンプルな材料

パンの材料は非常にシンプルです。そのため、コストも抑えることができます。基本的には、小麦粉と水、塩、砂糖、イーストさえあれば簡単にパンを作ることができます。

また、パン作りは材料が形を変えるプロセスを楽しむことができます。例えば、最初は粒であった小麦が、製粉されて小麦粉にかわり、それが水と混ざって生地になり、発酵させると膨らみます。そして最後にオーブンで焼き上げると、ふんわりとした食感に仕上がります。

このように、一つの材料がさまざまな形に変化することは子どもたちにとって非常に興味深く、学びがいがあるでしょう。

作業工程が豊富で楽しい

親子とのコミュニケーションは食育において重要な要素です。パン作りにおいて、材料はシンプルであるものの、こねる、発酵させる、焼くなど、さまざまな工程があります。これらの作業を通じて、たくさんのコミュニケーションが生まれることが期待できます。

例えば、お互いにこねる際の力加減や時間、生地の様子などアドバイスをしながら進めることができます。コミュニケーションが生まれることで、子どもたちも飽きずに楽しむことができるでしょう。

子どもたちと作る「まるパン」レシピ

子どもたちと一緒に作る場合、まるパンはおすすめのレシピです。 まるパンは非常にシンプルで、そのため子どもたちと一緒に作るのに最適です。また、オーブンがない家庭でも、フライパンを使って代用することが可能です。

まるパンは、大きさや形を自由に決めることができ、あんこやクリーム、カレーフィリングなどを中に入れることで、バリエーション豊かで味の変化を楽しむことができます。

まるパンの配合目安:
材料名 分量
強力粉(マンデーブランチ) 250g
ドライイースト 小さじ1弱
上白糖 大さじ1
食塩 小さじ1
無塩バター 70g
牛乳 130g
全卵 1個

はじめて手ごねで作るまるパンには、ゆめちから小麦配合の「マンデーブランチ」が非常におすすめです。まるパンを作ることができれば、あんパンやクリームパンなど、菓子パンに応用することもできます。北海道産ゆめちから小麦はグルテンを形成しやすく、ボリュームのある生地を作ることができます。

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野菜パウダーで色付けで楽しくなる

野菜をなかなか食べない子どもでも、野菜パウダーを使用してパンにすると美味しく食べることができる場合もあります。
また、色付けや風味のバリエーションも増やすことができるのでおすすめです。

ナチュラルカラーのページへ

まとめ

本記事では、食育の一環としてなぜパン作りがおすすめする理由について解説しました。

食育は子どもたちに健康的な生活を送る方法を教えるだけでなく、料理の楽しさや食に対する興味を高める絶好の機会でもあります。パン作りは安全面で取り組みやすく、シンプルな材料で手軽に楽しむことができます。食育として子どもたちと何を作るか検討している場合、ぜひパン作りに挑戦してみてください。

ベーカリスタでは、パン作りに役立つ情報や、パン作りをより楽しむためのアイデア、さらにパンや小麦に関する知識をお届けします。

参考文献:食育の科学的根拠づくりの必要性と今後の展開―食育における「食事づくり」の位置づけを含め―