強力粉と薄力粉の違いは?

強力粉と薄力粉、違いはそれぞれ、菓子用とパン用という2つの用途だけで選んでいませんか?実は、強力粉でも薄力粉でも、パンと菓子どちらも作ることができます。

今回の記事では、強力粉と薄力粉が具体的にどのような違いがあるのかをご紹介します。

強力粉と薄力粉の比較項目

比較項目 強力粉 薄力粉
タンパク量 多め 少なめ
粉質 粒の大きさ粗め
ダマはできにくい
粒の大きさ細かめ
ダマができやすい
グルテン強度 強い
生地が破けにくい
弱い
生地が破けやすい
生地の状態 表面はツルツルしている
しっとりしている
表面はボコボコしている
ややベタつきがある
気泡の大きさ きめが細かい 大きな穴ができやすい
食感 もっちり さっくり
水の入る量 多め 少なめ

タンパク量

強力粉の方が薄力粉よりもタンパクは多いです。タンパクが多いとグルテンが多く含まれている傾向にあるため、食パンなどのふわっとしたパンに向いているのは強力粉です。

粉質

強力粉は硬質小麦、薄力粉は軟質小麦で作られています。硬質小麦は粒が硬いので粗くなりやすく、軟質小麦は粒が柔らかく挽きやすいという特徴があります。
見た目や色に大きな違いはありませんが、軟質小麦で作られる薄力粉の方が細かくすることができます。しかし、薄力粉はぎゅっと押しつぶすとダマになりやすく、使用する前にふるいにかけることがあります。
強力粉はサラサラとしており、ふるいにかける必要はありません。打ち粉には、パウダー状で満遍なく全体に広がる強力粉の方が向いていると言われています。

グルテン強度

薄力粉の方が強力粉よりもタンパクが少なく、それに伴いグルテン含有量も少なくなる稽古にあります。つまり、強力粉の方がグルテン膜は強く、薄力粉の方がグルテン膜が弱いため、引っ張るとちぎれやすくなります。

生地の状態

こねる時間や水の量で生地の状態はさまざまですが、ある程度まとまってきた生地を比較してみると、表面の見た目は強力粉はつるつる、薄力粉は少しデコボコしています。強力粉はこねるとグルテン膜が形成され膨張するため、つるつるとした綺麗な表面になります。
また、表面を触ってみると、薄力粉は強力粉と比べて少しベタつきが感じられます。

気泡の大きさ

強力粉はグルテン力が強いのでガスを閉じ込めやすく、膨張しやすいです。一方で、薄力粉はグルテンの繋がりが弱いのでガスが抜けやすく、気泡が小さく、また潰れがちです。表面にボッコリとあいた大きな気泡は、ガスが抜けてしまった証拠でもあります。

食感

強力粉はグルテンが多いのでもちもち食感、薄力粉はさっくり感があります。ふわっとした食パンには強力粉、パリッとしたハードブレッドや焼き菓子には薄力粉を使用すると、それぞれの特性を生かすことができます。

水の入る量

グルテン量の多い強力粉の方が水を多く含むことができます。生地にしっとり感とつやが出ます。薄力粉は強力粉ほど水を多く含むことはできません。ですので、少しベタっとした生地になりがちです。

まとめ

それぞれ強力粉と薄力粉の違いについてご紹介しました。強力粉だからパンに、薄力粉だから焼き菓子にと判断してしまうのではなく、それぞれの特性を知った上で表現したい食感を生かしてみましょう。